サイドレイズ ~その仕組みを活かしたトレーニング方法~

この記事を読むことで肩のトレーニングについての理解が深まります。

サイドレイズ(ラテラルレイズ)

サイドレイズ(横に上げる)とは、肩(主に三角筋中部)を鍛える為のトレーニング種目です。
別名ラテラルレイズ(速報に上げる)とも言い、名前は異なりますがフォームは同じです。

この種目は、肩関節の外転作用(身体の中心から腕を遠ざける動き)によって三角筋を鍛えます。

実際に行うと

実際にサイドレイズをこなうと、4〜5kgの重量でもキツく感じるはずです。

私のパーソナルジムに通われている生徒さんからも
「持ったときは軽いのに、動かすとキツイッ‼︎」
という声が多いです。

これは主に、モーメントアーム(支点から重りまでの距離)の影響によるものです。

なぜキツくなるのか

先ずはここを押さえておきましょう。

関節にかかる負荷は以下で決まります。
M=F×rM=F\times rM=F×r

・M(モーメント):関節にかかる負荷(トルク、回転力)
・F(フォース):重りの重さ(ダンベルなどの重量)
・r(レイディアス):軸からの距離(肩関節から重りの作用線までの距離)

サイドレイズの特徴

【サイドレイズの特徴】
腕を下げている状態では、モーメントアーム(MA)はほぼゼロです。

そこから腕を横に上げていくと、
・肩と腕が水平に近づき、重りが肩から遠くなる。

するとモーメントアームが長くなります。
よって、同じ重さでも、腕を上げるほどキツくなるということです。

第三のテコについて

サイドレイズ(肩の動きは)は人体の構造上、第三のテコに分類されます。

・支点:肩関節
・力点:三角筋の働き
・作用点:ダンベル(重り)

【第三のテコの特徴】
・スピードは出やすいが、力学的には大きな力が必要(すごく頑張らなければいけない)なので不利です。

ただし、サイドレイズがキツい主な理由は、この構造そのものよりも、モーメントアームが長くなることです。

フォームによる負荷の違い

同じ重さでもフォームで負荷は大きく変わります。

例えば、腕を伸ばす。
・重りが身体から遠くなるので、モーメントアームが長くなり負荷が大きくなる

次に、腕(肘)を曲げる。
・重りが身体から近くなるので、モーメントアームが短くなり負荷が小さくなる

この仕組みを活かすと

自宅でのトレーニングなどで重量に限りがある場合でも、
腕を伸ばしてサイドレイズを行うことで、強い刺激を入れることができます。

反対に、アップライトロウやショルダープレスなどでは、比較的モーメントアームが短くなる場面が多い。
よって、同じ重さでも負荷の感じ方は変わります。

胸のトレーニングに当てはめると

ダンベルフライでは肩関節の負荷が大きく、特にストレッチポジションで大きくなります。
よって、ダンベルベンチプレスよりは扱える重量は小さくなります。
ダンベルベンチプレスでは複数の関節を使うため扱える重量が大きくなる。

このように、単純にどちらが大きい重量を扱えるというより、負荷のかかり方が違う種目になります。

追い込みのテクニックとして

三角筋を鍛える場合

サイドレイズ〜アップライトロウ

サイドレイズでキツくなったタイミングで、アップライトロウへとフォームを変えてモーメントアームを短くし、
さらに回数を増やすことも可能です。

大胸筋

ダンベルフライ〜ダンベルベンチプレス

先述したように、
負荷が大きい状態から小さい状態へ移行することで追い込むことが可能です。

パーソナルトレーナー塚本のつぶやき

私がよく肩のトレーニングで使うテクニックをご紹介。

追い込みのテクニックでご紹介した内容に少しアレンジを加え、
挙上不可となった際、完全にアップライトロウへ移行せずに、
スティッキングポイント付近で挙上できるギリギリの範囲で徐々に肘を曲げていくといったものです。

→モーメントアームを短くして反復可能な限り継続

さらに下げる際は肘を伸ばします。

→モーメントアームを長くして負荷を強く(エキセントリックを強調)します。

その他にも、筋肉は新しい刺激を好みますのでパンプアップを取り入れることもあります。
通常のサイドレイズで始め、限界付近でアップライトロウへ移行し、
そのまま上、三分の一で動作を繰り返す方法です。

まとめ

・サイドレイズがキツいのはモーメントアームが長くなるため
・腕の角度や肘の曲げ伸ばしで負荷は調整できる
・種目を変えることで効率よく追い込める

筋肉が刺激に慣れてしまわないよう、
こういった仕組みを理解して使い分けることが筋肉を上手に成長させるために重要です。


参考文献
1)医歯薬出版株式会社 運動学第3版 p14
2)株式会社 医道の日本社 身体運動の機能解剖 改訂版 p249

この記事を書いた人

名前:塚本勇也 専門:ウエストデザイン 実績:2013年北区ボディビル・フィットネス選手権大会170cm以下級第4位/2019年群馬県オープン・メンズフィジーク選手権大会168cm以下級準優勝 著書:『ウエストばか』2019年5月20日発売 保有資格:全米エクササイズ・スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー/全米エクササイズ・スポーツトレーナー協会認定ニュートリションスペシャリスト/日本コアコンディショニング協会認定ペルビックコンディショニングトレーナー/日本コアコンディショニング協会認定ベーシックトレーナー/モチベーションアカデミー認定FITNESS MOTIVATOR®︎/MEDICAL GROW UP ACADEMY認定 CBAT Basic・Advance・PNF/整体師/柔道整復師 など

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