プロテインは飲むと太る

近年よくある勘違い♯1「プロテインは飲むと太る!?」

プロテインは飲むと太る⁉︎

そもそもプロテインとは

プロテインと言う言葉を皆さんも一度は聞いたことがあると思います。

そしてこんな噂も・・・

  • プロテインは飲むと太るから摂らないほうがいい。 1)
  • 筋肉が付いて足が太くなる。 など 

そもそもプロテインってなに??

「プロテイン」はギリシャ語の「プロテイオス」と言う言葉が語源となっていて英語では「タンパク質」のことを指します。ちなみに、プロテイオスは「最も大切・第一の」と言う意味だそうです。

う〜ん、何かプロテインって大事そう。

❶ 体重が増える(太る)仕組み

食べる量が消費される量よりも多い時に太ります。

 →食べる量>消費する量

例えば、基礎代謝量が1400kcal/day、デスクワーク(1.3〜1.5)で特に運動はしていない人の場合は1日に必要な食べる量は1820〜2100kcalとなります。

※赤文字は後ほど使用します。

つまりこの人が・・・

①体重を増やす(太る)には2200kcal/day以上は必ず摂らなければなりません。食べる量と消費する量が釣り合っていては体重を変化させることができないからです。

 →食べる量>消費する量

②体重を減らすには、食べる量を1820kcal/day未満に抑えればいいと言うことです。

 →食べる量<消費する量

❷ プロテインを飲むと太るのは

プロテインを飲むと太ってしまうのは、先述した「 ① 」の状態だと言える。つまり、1日に必要な飲食の量を超えていると言うことになる。ちなみにタンパク質は1gで4kcalである。30gでは120kcalということになる。

例えば、このプロテインを飲み太ってしまった人が有名人で周りに影響を与える人だったとしよう。

「私はプロテインを飲み始めてから太りました・・・」と配信すれば少なくともファンの人達は信じてしまうかもしれない。そして、ファンの人から周りの人へ伝わり、その人達からまた他の誰かへと・・・といった具合に正しい情報も悪い情報も拡散されていく。

その結果、プロテインを飲むと太る。と言った微妙な噂が広がったのではないかと僕は考えます。

では、賢いプロテインの飲み方とはどういった方法なのか。

❸ 賢いプロテインの飲み方

ここで「 体重が増える(太る)仕組み 」を思い出して欲しい。下の表をご覧ください。

A食べる量>消費する量体重は増える
B食べる量<消費する量体重は減る
C食べる量=消費する量体重は維持

つまり、プロテインを追加したとしても、「 B 」か「 C 」であれば太ることはない。

この後に紹介しますが、仮に1日に摂るべきタンパク質の量が食事から上手く摂れずに不足しているのであれば、この条件に当てはまるようにプロテインを摂ることで体作りの味方になってくれます。

なぜならプロテインを追加することで食事のバランスが整いますし、タンパク質が不足していては思うよいうに筋肉も付いてくれないからです。食事のバランスを整える為にプロテインを賢く利用するという考え方もあります。また、カロリーだけを考えるとプロテインダイエットは1回の食事をプロテインに置き換えることで1食分のカロリーを減らし「 B 」か「 C 」に近付けるダイエット方法とも言えます。

しかし、プロテインを利用するといっても1日にどれくらいのプロテイン(タンパク質)が必要なのか分からない方も多いと思いますので解説していきます。

❹ 1日に必要なプロテイン量

  1. あまり運動をしない方(余暇として運動する人)
    →体重(㎏)×0.8~0.9g 
  2. 中強度の持久力的運動(45~60分の運動を4~5回/週)
    →体重(㎏)×1.2g 
  3. 瞬発的運動(トレーニング初期)
    →体重(㎏)×1.5~1.7g

という計算方法になります。

例)体重60㎏でトレーニングを始めたばかりの場合。
→60㎏×1.5g=90g/日が必要ということになります。

あまり運動をしない方の場合。

60㎏×0.8g=48g/日が必要ということになります。

❺こんな計算法も

1日摂取すべきエネルギー(カロリー)のうち

タンパク質(P)=除脂肪体重×2~3g 4)

除脂肪体重(LBM:Lean Body Mass)とは、体重から脂肪を除いた重さ(筋肉、骨、内臓、血液)のことを言います。

❻最後に食事全体のバランスについて

先ずは今回の主役、タンパク質から。

「1日にどのくらい摂ればいい?」を参考に、あまり運動をしない方の場合について考えていく。仮に体重が60㎏だとした場合

体重(60㎏)×0.8~0.9g=48~54g(192~216kcal)となる。

次に脂質。これはマグロでいうところのトロの部分や、個人的に飲み込むタイミング分からないホルモン、オリーブオイルなどのことを指します。脂質の摂取量は1日に食べる全体量の10~20%が目安。これは「体重が増える(太る)仕組み」で紹介したこの部分「1日に必要な食べる量は1820〜2100kcal」を参考にするとこのようになる。

1820~2100kcal×10~20%=[182~210kcal]~[364~410kcal]となる。

最後に糖質。ここでは分かりやすくするために糖質≒炭水化物(米、うどん、ぱん、パスタなど)と考えていきます。おにぎりやラーメンとかをイメージして下さい。この炭水化物の量は[1日に必要な食べる量]ー[タンパク質量]ー[脂質]で計算できる。今回はシンプルに一番低い数値で計算していきます。

[1日に必要な食べる量1820kcal]−[タンパク質192kcal]−[脂質182kcal]=1446kcal

よって、1日に炭水化物は1446kcal摂るということになる。

このように計算をすれば今の自分にプロテインは必要なのか。プロテインを飲んだ場合のカロリーは大丈夫なのか知ることができます。知ることが自己管理にもなりますしね!

そして、今回のタイトル。

近年よくある勘違い「プロテインを飲むと太る」の結論。

結論

プロテインを飲んで、「食べた量」が「消費する量」より多い場合のみ太る。

ここ2〜3週間で体重の変動がない場合、プロテインを飲むともしかしたら体重が増えるかもしれない。


参考文献
1)galaxy株式会社 著者 塚本 勇也 ウエストばか p15
2)株式会社 南江堂 生理学 改訂第4版 p194「基礎代謝量」
3)株式会社 講談社 栄養科学シリーズNEXT スポーツ・運動栄養学 p55 表3.9
4)(株)ベースボール・マガジン社 著・監修 岡田 隆 筋肥大メソッド p51 表

記事を書いた人

名前:塚本勇也 専門:ウエストデザイン 実績:2013年北区ボディビル・フィットネス選手権大会170cm以下級第4位/2019年群馬県オープン・メンズフィジーク選手権大会168cm以下級準優勝 著書:『ウエストばか』2019年5月20日発売 保有資格:全米エクササイズ・スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー/全米エクササイズ・スポーツトレーナー協会認定ニュートリションスペシャリスト/日本コアコンディショニング協会認定ペルビックコンディショニングトレーナー/日本コアコンディショニング協会認定ベーシックトレーナー/モチベーションアカデミー認定FITNESS MOTIVATOR®︎/MEDICAL GROW UP ACADEMY認定 CBAT Basic・Advance・PNF/整体師 など

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