フィジーク体型を作る為の筋力トレーニングの方法。こちらの記事は主に男性に向けた内容となっております。
【保存版】ブルガリアンスクワット・ヒップスラスト・バックランジの効果比較|大臀筋を効率よく鍛える方法
はじめに
下半身(特にお尻)トレーニングの定番であるブルガリアンスクワット・ヒップスラスト・バックランジ。
どれも同じ「お尻や脚に効くトレーニング」と思われがちですが、実は筋肉への刺激や可動域などそれぞれ効果に違いがあります。
この記事では筋電図のデータ( )内の%や筋肥大に関する研究結果を踏まえながら、3種目の特徴を比較し、効率よく大臀筋を肥大させる方法を現場での経験など私の考えも取り入れながら考察していきます。
ブルガリアンスクワットの効果(約35〜45%)
鍛えられる筋肉
・大腿四頭筋
・ハムストリングス
・大臀筋
メリット(・)とデメリット(→)
・前足にも大きな負荷をかけられるので太腿全体を発達させやすい。
→太腿の前側を発達させたくない場合には要検討。
・深くしゃがむことで股関節の屈曲角を増加させ大臀筋への刺激を増やせる。
・体幹の安定性やバランス能力の向上にも効果が期待できる。
ヒップスラストの効果(約45〜60%)
鍛えられる筋肉
・大臀筋
メリット(・)とデメリット(→)
・大臀筋のみを強く刺激できる(分かりやすくするための表現として「のみ」を使用)
・トップポジションではアイソメトリック収縮(等尺性収縮)により大臀筋の収縮感が強い
→可動域がやや狭いため筋肥大を促す遠心性収縮の範囲も狭くなる。
バックランジの効果(約25〜35%)
鍛えられる筋肉
・大臀筋
・ハムストリングス
メリット(・)とデメリット(→)
・ブルガリアンスクワットより大臀筋とハムストリングスに効きやすいく太腿の前への刺激が少ない。
・股関節の屈曲を深くでき、遠心性収縮により多くの筋線維が動員され大臀筋の放電量が高まり筋肥大が促進される。
→股関節伸展時に大臀筋への刺激が抜けやすい。
→背中(腰椎の屈曲)が丸まると大臀筋への刺激が入りにくい。
・歩行や階段昇降など日常動作に近い動的な動作のため実用的と言える。
当店がバックランジを推奨する理由
・股関節の屈曲角度を調整(大きく)でき、大臀筋に強いストレッチ刺激を与えることで筋肉の肥大を促す。
・歩行や階段昇降など日常動作に直結し、実用的な筋力アップになる。
・ウエストヒップ比を整えながら動きやすいカラダを同時に目指せる。
エキセントリック収縮と筋肥大の関係
・筋肥大はコンセントリック(縮む動作)よりエキセントリック(伸ばされる動作)の方が有効
・理由:エキセントリック時は速筋線維の動員が多く、筋損傷が大きい。※肉離れなどはこの局面で発生することが多い。
・スクワットの研究でも浅くしゃがむ「ハーフスクワット」より深くしゃがむ「フルスクワット」の方が大臀筋、内転筋の筋肥大効果が大きいと報告されている。(しゃがんだ時の股関節の屈曲角度の違いを示唆している)
バックランジの効果を裏付けるエビデンス
① 股関節の屈曲角度が深いほど大臀筋肥大に有効
Bloomquist ら(2013)の研究では、フルスクワット群はハーフスクワット群よりも大臀筋・内転筋の筋肥大が有意に大きかった と報告されています。
→バックランジは股関節屈曲角度が深くなるため、ブルガリアンスクワットや浅いランジよりも大臀筋にストレッチ刺激を与えやすい。
② ランジ系動作はヒップスラストよりも筋肉の伸張刺激が大きい
Contreras ら(2015)の筋電図研究では、ヒップスラストは大臀筋の収縮(求心性)で高い活動量を示しましたが、エキセントリックでの活動範囲は狭いことが指摘されています。
→逆にランジ系(特にバックランジ)は、大臀筋とハムストリングスに「伸ばされながら力を出す」エキセントリック刺激を与えやすく、筋肥大に有利と考えられます。
③ バックランジは歩行や階段動作に直結
Escamilla ら(2008)の研究では、ランジ系の動作は「歩行や階段昇降の動作パターンと類似している」ことが示されています。
→つまり、バックランジは筋肥大だけでなく 日常生活で使える実用的な筋力アップ にも効果的。
④ 片脚動作による骨盤安定への寄与
中臀筋の研究(Grimaldi 2015 など)では、片脚動作は骨盤安定に必須であり、中臀筋や大臀筋の協調的な筋活動が高まることが報告されています。
→バックランジは片脚支持の要素が強く、下半身の機能改善にも効果的。
エビデンスのまとめ
・フルレンジの股関節屈曲→大臀筋の筋肥大効果が大きい
・バックランジはヒップスラストよりも伸張刺激(エキセントリック)が強い
・バックランジは歩行、階段昇降に似ており、実生活のパフォーマンス向上にも有効
・片足動作により骨盤、体幹の安定性も向上
実際の現場(当店)では・・・
当店はパーソナルジムですので、一人ひとりの目的やお悩みに合わせたプログラムをご案内しています。
今回、「大臀筋を効率よく鍛える方法」についてエビデンスを基に考察してきましたが、私は万能な種目はないと考えています。効果を出すためには相手に合ったタイミングでその時に必要な種目を適宜選択し続ける必要があります。
◯◯にはこれ‼︎などと当てはめず常に視野を広く、多角的に考えて生徒さんへのプログラムを提供しています。
カラダのことでお悩みの際はスマイルプラスまでお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ブルガリアンスクワットとバックランジの違いは何ですか?
ブルガリアンスクワットは前足に大きな負荷がかかり、大腿四頭筋と大臀筋をバランスよく鍛えられるのが特徴です。
一方バックランジは股関節の屈曲角度が深く、大臀筋とハムストリングスにより強いストレッチ刺激を与えられます。
Q2. ヒップスラストはスクワットの代わりになりますか?
ヒップスラストは大臀筋に特化しているため、お尻のボリュームアップには最適です。ただし大腿四頭筋やハムストリングスの刺激は少ないため、下半身をバランスよく鍛えるにはスクワットやバックランジなどを組み合わせるのがおすすめです。
Q3. 筋肥大には何回・何セット行えば良いですか?
筋肥大を狙う場合は、一般的に知られているのは8〜12回で限界を迎える重量で3〜5セットが目安です。また「下ろす動作(エキセントリック)をゆっくり行う」ことが筋肥大効果を高めるポイントです。その他にも応用などありますが、これが基本です。
Q4. 自重でも効果はありますか?
自重でも十分効果があります。特に初心者や女性の方には自重のバックランジやブルガリアンスクワットが効果的です。
慣れてきたらダンベルやバーベルを使って負荷を徐々に増やすと、より筋肥大を狙えます。
Q5. 美尻を作りたいならどの種目が一番おすすめですか?
「形を作りたい」なら ヒップスラスト、「美尻+動きやすさも欲しい」なら バックランジ が特におすすめです。
両方を組み合わせることで、ヒップアップと日常動作の快適さを同時に手に入れられます。